4月の「アンデルセン2の会」報告です。

4月1日(金)19:00~
赤煉瓦文化会館
講師:國友美枝子氏  知的障がい者バンド「the Pure Heart(ピュアハート)」主宰
   :長阿彌幹生氏  教育文化研究所主宰
                                                  
 ダウン症のお子さんを連れて遠慮がちに海外旅行に参加した國友さん。
イタリアのレストランでスタッフの方々が気軽に歓迎の笑顔でお子さんに近づき
話しかけて下さることに福祉先進国としてのヨーロッパを肌で感じました。この
フレンドリーな世界を他の障害を持った子供たちにも是非見せたいと思いました。

 國友さんが主宰している「知的障がい者バンド・the Pure Heart(ピュアハート)」。
この子達のコンサートが出来る国はあるだろうかと、探していた時に出会ったのが、
「デンマーク研究会」を立ち上げていた長阿彌幹生さん。長阿彌さんのアテンドで
デンマークの障害者文化センターと国民学校でのコンサートが実現しました。

 デンマークでは、子供達の付き添いとして行った母親達にとっても「目からうろこ」ばかり。
子供の意志を尊重して自由に選びとらせる自立性を育ててはいるが、肝心のところ
では規律が保たれ、集中力を発揮する、そんな子供たちの姿に教育の深さを感じました。

また、障害者を迷惑な存在とは位置づけず、困っている人がいれば自然と手助けが
出来るのはもちろん、その子供達に劣等感が無いが故に心がやわらかい。

学校でも、能力別のクラスを当たり前としたり、学期末に進級するかどうかを自ら選ぶ
ことが出来る。

“人間は、みんな違っていい“ そんなあたりまえのようでいて、日本ではなかなか実現が難
しい、やわらかい社会が福祉先進国を作っているのでしょう。

 この度の大震災では海外メディアが混乱の中にあっても日本国民の落ち着いている
姿を評価していましたが、デンマークのやわらかさに学んで更に大人な社会になって
欲しいものです。

  昨年11月に初の海外演奏ツアーを経験した「the Pure Heart(ピュアハート)」の演奏会を当協会でも行うことになりました。6月4日、当協会総会時の特別公演に「the Pure Heart(ピュアハート)」が出演して下さいます。

特に最近の演奏会は東北大地震の被災者(殊に避難所にも入れずに困難な状況にあ
障がい者の方々)の為にチャリティー演奏会をいたします。
4月中旬までに会場が決まりますのでHPでお知らせいたします。

後半、長阿彌さんからデンマークの脱原発についての歴史等、時機にかなったお話を
聞くことも出来ました。  記:山田千里子