理事長エッセイ

SDGs(エス・ディ・ジーズ)世界一の国デンマーク

私たち一般社団法人福岡デンマーク協会のホームページにアクセスして頂きありがとうございます。
私は当法人の理事長の長阿彌幹生(ちょうあみみきお)です。
日常の暮らしや活動の中でデンマーク的視点からみた自分なりの気づきや感想などをご紹介し、皆様の暮らしや仕事に何かの参考にして頂ければと思っています。デンマークとは関係の無いようなエッセイもあるやもしれませんが、それも幸福という普遍的なテーマとして繋がっているものですので、拙文ですがお付き合いください。感想等頂ければ幸いです。また、私どものイベント等でもこのエッセイを種にして、お話しが出来ることを楽しみにしています。

福岡デンマーク協会 理事長 長阿彌幹生


理事長エッセイ(14)

SDGs(エス・ディ・ジーズ)世界一の国デンマーク


 SDGsとは「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称です。日本では知らない人の方が知っている人よりも多いのが現状です。2015年9月に国連サミットで採択されて、国連加盟193ケ国が2016年から2030年の15年間で達成するために掲げた目標です。17の大きな目標と、それらを達成するための具体的な169のターゲットで構成されています。
私は来月デンマークをはじめ、フィンランドやオランダを訪問して、その優れた教育や福祉などを学んできますが、これらの国では国民全員の目標として取り組まれています。特にデンマークはその進捗度合いが世界一ということで、世界最先端の取り組みが行われています。
SDGsは一人も取り残されることなく、世界中の人たちが幸せになるために設定された目標ですので、日本のように国の取り組みが遅れていても、そのことの重要性や先駆性に目覚めた人たちや、団体、自治体による取り組みで世界中の人たちと連帯していけます。
今日からでも、明日からでも取り組みを始めましょう!

★SDGs世界一のデンマークの取り組みについての紹介
 デンマークでは、SDGsからソリューションを生み出す大規模なイノベーションラボがスタートしています。
 このラボを主催するのは、非営利団体「UNLEASH(アンリーシュ)」。
 「UNLEASH」のパートナー企業は200以上に上り、スポンサーには日本の「あしなが育英会」やデンマークのアパレル企業「BESTSELLER」、シンガポールの「TEMASEK」、世界糖尿病財団「WORLD DIABETES FOUNDATION」などが名を連ねています。
 今回はそんな「UNLEASH」の活動やラボで実際に生まれたソリューション、そして、デンマークのサステナビリティ教育のいまについて、実際にデンマークを旅して目にした光景を通してご紹介します。

「UNLEASH Lab」でミレニアル世代が生む、新しいソリューション 

 「2030年までにSDGsのすべての目標を達成するには、できるだけ多くのソリューションを見つける必要があります。新しいソリューションを持つ企業には、30歳未満の人々──いわゆるミレニアル世代が多いことが分かっているため、私たちはミレニアル世代の若者を多く選出しラボを開くのです。そういった世代はサステナビリティに大きな関心を寄せていますし、より公正で平等な世界を見たいと思っているので、SDGsの実現性をより高めることに繋がる、と考えています」。
 UNLEASHの運営メンバーは、イノベーションラボが始まった経緯をそう語ります。


 昨年8月に開催された「UNLEASH Lab 2017」には、129ヵ国の若手イノベーター1,000人が集まり、日本からも5人が参加しました。
 主な参加者は、20〜30歳の学者、起業家、技術者など。彼らは11日間に渡って、同じ問題意識を持った人とグループを組み、企業プレゼンやアクティブラーニングから学びを得ながら、ソリューションアイディアを考えました。

 そこで生まれたソリューションは、SDGsのアジェンダの中の「教育とICT」「エネルギー」「健康」「食糧」「持続可能な消費と生産」「都市の持続可能性」「水」といった7つのテーマに沿ったもの。

 日本人がチームに入っていたソリューション事例をご紹介すると、世界でも問題視されているプラスチックゴミを解決する、再生可能なラッピング「Reusable Smart Pallet Wrapping」があります。
 すでに商品化されている再生可能なラッピングがなかなか導入されない大きな原因は、価格の高さ。そのことから「Reusable Smart Pallet Wrapping」では価格が安く設定されているばかりでなく、なんと1,000回まで再利用が可能となっています。製品化に至れば、プラスチック廃棄物の95%の石油使用量と、80%のCO2排出量、環境負荷を50%も削減できることが分かっています。現在、Climate-KIC Nordicからの資金を獲得し、プロトタイプを製作中です。

 また、建築資材の情報ツール「Recovering Giants」も、UNLEASH Lab 2017で生まれたソリューションのひとつです。
 こちらは、地震などで出たがれきの量と場所を評価し、そこで出た廃材にインセンティブを与えることで、災害後の復興のスピードを早めるという革新的なソリューション。現在採用されている建築資材のほとんどは、分解時のことを配慮せず、組み立ての容易さだけを意識した設計のものが多いことも問題として挙げられています。このソリューションでは、こういった設計で使用されている建築資材をうまく活用するエコシステムを確立する予定です。

 ここで挙げたソリューションも含め、UNLEASH Lab 2017では全部で197ものソリューションが生まれました。いまもさまざまなセクターによるサポートを受けながら、それらのプロジェクトは実現に向けて進んでいます。


 以上です。デンマークではその他学校、自治体、企業での取り組みが盛んに行われています。また機会があれば紹介したいと思います。

 


自らが学び問う姿勢を子どもたちへ! 
 私たち親や大人は子どもたちに「勉強(勉めることを強いる)」のではなく、「学問する(自らが学び問う)」姿勢を子どもたちに伝えていくことが必要ではないでしょうか。知らないものを知る「わくわく感」を伝えられればと思います。大人たちが、目を輝かせて、自分の面白く感じている世界を「学ぶ」姿は、子どもにとって大きな刺激になるでしょう。そんなに面白いものならば、教えて欲しい、もっと知りたい。そうして、子どもたちは自らで「学び」のスイッチを入れていくことでしょう。
 そう思うと、改めて私たち大人の生き方が問われているのではないでしょうか。現実に妥協し、学ぶことを忘れ、その楽しみを諦め、目先の利益だけしか眼中にない、刹那的な生き方になっていないでしょうか。拝金主義、学歴主義、競争主義という利己的な固定観念で子どもたちを縛っていないでしょうか。

 デンマークの学校基本法に「学校の役割は子どもたちに困難な未来を切り拓くための楽観的展望を与えること」という条文がありますが、この条文は学校だけの役割ではなく、私たち親や大人たちの役割でもあるのではないでしょうか。私たちの生き方でそのことを伝えていければと思います。 

2019-10-19 | Posted in 理事長エッセイNo Comments » 

 

「勉強」から「学問」へ

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福岡デンマーク協会 理事長 長阿彌幹生


理事長エッセイ(13)

「勉強」から「学問」へ


勉強がつまらないと感じた学生時代
 中学や高校時代に「どうして“勉強”ってつまらないのだろう」と思っていました。しかし、友人たちは、旺文社の“赤豆”という英単語帳に代表される入試用の教材を必死になって丸暗記していました。私にはとても真似が出来ませんでした。 もともと暗記が苦手だったのかと言うとそうでもなく、小学校4年生の時には世界中の山や川などをその高さや長さやその順番まで覚えていました。先生から頼まれてその知識を授業で披露したこともあるくらいです。
 何が違っていたのでしょうか。
 小学校の地理については宿題やテストではなく、知らない世界への興味から、誰から言われるのではなく、自ら進んで学んでいました。地図上のヒマラヤ山脈を表す濃い茶色を見ると、そこに高い山が盛り上がっているように思えました。日本海溝の濃いブルーには底知れない深さを感じ、平らな地図が凹凸のあるものに見えていたのです。

何が自分の目的なのか? 
 ところが、受験勉強になったとたんに、私の興味や関心は薄れてしまいました。目的が受験、つまり試験で何点とれるかになり、知的好奇心の世界ではなくなってしまったからです。それでも勉強していたのは、将来のことを親や教師から「高校くらい出ておかないと」「大学くらいは・・・。」などなど。しかし、それが私には目的とは思えませんでした。 そんな風だったので、高校は好きな読書以外はろくに勉強もしないで卒業しました。
 幸運だったのは先輩に勧められて入った大学で、社会をもっと良いものにしていこうとして活動している先輩や友人に出会ったことです。学生の出来ることは知れていますが、本当に住みよい社会とはどういうものなのか、その社会に自分はどう関わっていこうとするのかを考えることは、とても楽しかったです。

もっと学びたいという思いを手に入れた!
 以降、どんな仕事をしたい、どんな会社に入りたい、いくら稼ぎたいなど具体的なものではなく、世界と自分との関係を検べ、深めていくことに夢中になりました。
 小学校時代のあの感覚が蘇りました。おかげで大学4年間は幅広く世界のいろいろなことを学ぶことができたと思います。学べば学ぶほど、自分の知らなさ、至らなさを実感し、もっともっと学びたいという意欲にかられました。その情熱は還暦を過ぎた今も、私の中で燃えていて、生きるエネルギーになっています。

自らが学び問う姿勢を子どもたちへ! 
 私たち親や大人は子どもたちに「勉強(勉めることを強いる)」のではなく、「学問する(自らが学び問う)」姿勢を子どもたちに伝えていくことが必要ではないでしょうか。知らないものを知る「わくわく感」を伝えられればと思います。大人たちが、目を輝かせて、自分の面白く感じている世界を「学ぶ」姿は、子どもにとって大きな刺激になるでしょう。そんなに面白いものならば、教えて欲しい、もっと知りたい。そうして、子どもたちは自らで「学び」のスイッチを入れていくことでしょう。
 そう思うと、改めて私たち大人の生き方が問われているのではないでしょうか。現実に妥協し、学ぶことを忘れ、その楽しみを諦め、目先の利益だけしか眼中にない、刹那的な生き方になっていないでしょうか。拝金主義、学歴主義、競争主義という利己的な固定観念で子どもたちを縛っていないでしょうか。

 デンマークの学校基本法に「学校の役割は子どもたちに困難な未来を切り拓くための楽観的展望を与えること」という条文がありますが、この条文は学校だけの役割ではなく、私たち親や大人たちの役割でもあるのではないでしょうか。私たちの生き方でそのことを伝えていければと思います。 

2019-08-20 | Posted in 理事長エッセイNo Comments » 

 

幸福度の高さは教育の豊かさに比例する

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福岡デンマーク協会 理事長 長阿彌幹生


理事長エッセイ(12)

幸福度の高さは教育の豊かさに比例する~デンマークから学ぶ

デンマークは先進国中GDP対比教育予算の最も高い国です(註1)。その結果、小人数学級(28名定員)や複数担任制などが実現しています。また、質の高い教育を保障するために教員資格取得には大学院(修士課程)修了が必要です。
デンマークの教育は「自ら考える」ことが中心です。教育目標を子どもたちが自立するために必要な力を培うことに主眼を置いているからです。それぞれの意見や個性が尊重されながら、専門性(知識・技術)と社会性(協力して社会を支える姿勢)が教育の両輪として進められています。

楽しく心が満たされる場所、それが学校 
 私が日本で不登校当事者の支援活動をしていることをデンマークの学校関係者に話すと、異口同音に「それは学校が楽しくないからだ」と言われます。
 デンマークでは、学校が子どもにとって、楽しく心の充たされる場所であることを目指して運営されています。同時に、フリースクール(私立の教育機関)やホームスタディ(家庭学習)なども教育の場として認められていて、多様な学びが保障されています。その結果、すべての子どもに「学ぶ権利」が保障されています。

高校進学率50%程度
 義務教育(国民学校)は10年間。6歳を0年生としてスタートし、15歳の9年生で卒業します。進級や卒業は子どもたちの成長、本人や保護者の意向も考慮しながら決められます。面白いのは10年生というクラスがあって、進路などを決めかねている子どものために、もう1年間在籍して将来を考えることもできます。
 デンマークは資格社会。学歴ではなく、何ができるかが問われます。そのため高校進学率は50%程度で、半分は職業専門学校に進学し、働くための資格や技術を身に付けます。途中で高校への転学、専門学校への編入等の進路変更もしやすく、自分の未来を安心して描ける教育制度になっています。
 また、大学院まで授業料は無料。加えて返済不要や無利子の奨学金が用意されていて、学生の生活保障も行き届いています。また働き始めても、退職して学び直すときにも奨学金や所得補償などの制度があり、いつからでも学び直すことが出来ます。生涯を通じて学びが保障されていると言えるでしょう。

日本の改革に役立てたい! 
 このような多様で豊かな教育の機会の保障は高い税金によって支えられています。「税金はみんなの未来への投資」という考えが国民に浸透していて、実際にも税収の70%が教育をはじめ福祉、医療分野に再配分され、協力し、支え合う社会づくりが進められています。
 私は毎年デンマークを訪れて、その高い幸福度を実現している考え方や仕組みを学び、日本の改革に役立てるにはどうしたら良いかを考えています。デンマークは特別に優れているわけではありません。当たり前のことを当たり前のように実践している国です。日本が当たり前のことを普通にできる国になるために、デンマークは多くの示唆を与えてくれる国ではないかと思います。

 
【註1】経済協力開発機構(OECD)2015年度発表データ:国内総生産(GDP)に占める教育機関への公的支出の割合は日本3.6%で30カ国中最下位だった。最下位は4年連続。最も高かったのは、デンマークの7.6%、2位ノルウェー7.5%、3位アイスランド7.0%、4位ベルギー・フィンランド6.4%と続く。

2019-07-16 | Posted in 理事長エッセイNo Comments » 

 

デンマーク人の胆力

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福岡デンマーク協会 理事長 長阿彌幹生


理事長エッセイ(11)

デンマーク人の胆力(たんりょく)。

デンマークに行って感じたことの一つに“胆力”(タンリョク=ものに動じない気力・腹の据わった精神力)というものがあります。いろいろな場面で感じましたが、今回はコペンハーゲン国立美術館での体験を紹介します。

コペンハーゲン国立美術館を堪能
 コペンハーゲン国立美術館は、今から130年前に建築された棟と、その裏側に新しく建て増しされた棟の二つの棟から成り、数多くの美術品が展示してあります。訪問した日は雪の朝ということもあって、午前中の美術館は人影も少なく、ゆっくりとした時間が流れていました。
 
 入館者は1階の吹き抜けホールから広い地下のロッカースペースに降りて、コートやバッグなどをロッカーに入れてから展示スペースに入館します。この地下スペースも広々としていて、静かでほっとする感じのする場所でした。

 ロッカースペースから展示スペースへと進むと彫刻、絵画、立体芸術、映像芸術など様々な作品を観賞することができます。丁度、この時は昔のデンマークの家の中の様子を再現した迷路のような展示があり、観客は作品の中を通過しながら観賞するのですが、何とも不思議な時間を忘れさせてくれるような作品でした。そのような展示スペースを過ぎると、絵画の展示スペースになります。

 古い宗教画など時代別の展示になっている部分や、レンブラントなどオランダの画家を中心として風景画のスペースなど、展示もバラエティに富んでいます。風景画は大きな展示用の壁面に大小の絵が所狭しと掲げてあって、それを一枚一枚観賞していくだけでも一日はかかりそうなボリュームです。

 近代絵画のスペースでは、モジリアーニ、ムンク、マチス、ルオー、ブラック、ハンマースホイなどの絵画界の巨匠の作品が展示されています。
 そして驚くのは、その作品のどれにもロープが張ってあったり、物々しいガラスケースなどに入れられていないのです。至近距離での観賞も可能なのです。写真撮影もフラッシュ撮影でなければ可能です。
 私はこれらの名画を自分の気に入った距離で遠くから、近くからじっくり観賞しました。カンバスに残された巨匠たちの筆遣い・息遣いのようなものを感じることが出来、本当に感動しました。

 

何が大切かを教えてくれているよう・・・
  この美術館を見終わって、再び地下のロッカースペースに戻ったときに、この国の“胆力”というものを見せ付けられたように思いました。「絵は観る人のためにある」という当たり前のことが当たり前のように実践してあるのです。

 数々の名画は相当な価値がするものばかりです。日本での常識で考えると、これほどのものを何と無用心なことかと思うかもしれません。盗まないまでも、誰かが触ったり、傷つけたりしないとも限りません。それが、これほどまでに開放されて展示されているということは、観る人たちへの信頼感が根底にあること。そして万一心ない者が傷つけたとしても、その時は修理すれば良いではないか、という“物よりも人を大切にする”という考え方があるからではないかと思いました。  

 この日めぐり合った芸術作品の数々にも感動しましたが、この美術館の観客への信頼感、人間尊重の姿勢、その基盤となる“胆力”にも感動しました。
 このことをみても、デンマークという国が「私たちに何が本当に大切なものなのか」を示してくれているように思えてなりません。

■掲載写真は、コペンハーゲン国立美術館内の画家ヴィルヘルム・ハンマースホイの展示室です。
  ハンマースホイはデンマークの近代美術を代表する世界的な画家です。
  高価な絵が展示してありますが、この展示室にも警備員や監視スタッフの姿や、接近防止のためのロープはありません。

 

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追記

 4月から私が主宰しているデンマーク研究会(註)では、デンマークの幸福研究所の所長マイク・ヴァイキング氏の「デンマーク幸福研究所が教える「幸せ」の定義という本を使って、デンマークの高い幸福度だけではなく、「幸せ」とはどういうことなのかを考え始めました。
 「幸せ」については昔から多くの哲学者や宗教者などが考えてきましたが、この本は「幸せ」を色々な角度から考え、私たちの暮らしの幸福度を高めるための示唆を与えてくれます。今回の理事長エッセイでは、その本の中に引用されているロバート・ケネディ氏(ジョン・F・ケネディ米アメリカ大統領の弟で兄が暗殺された後の大統領候補として、その選挙戦の最中に暗殺された元米司法長官)の言葉を紹介したいと思います。皆さんはどう思われますか?
 半世紀も前の彼の言葉が今の世界に改めて、大きな問いを投げかけているように思えてなりません。

2019-06-13 | Posted in 理事長エッセイNo Comments » 

 

GDPでは幸せの価値を測れない

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福岡デンマーク協会 理事長 長阿彌幹生


理事長エッセイ(10)

GDPでは幸せの価値を測れない

 4月から私が主宰しているデンマーク研究会(註)では、デンマークの幸福研究所の所長マイク・ヴァイキング氏の「デンマーク幸福研究所が教える「幸せ」の定義という本を使って、デンマークの高い幸福度だけではなく、「幸せ」とはどういうことなのかを考え始めました。
 「幸せ」については昔から多くの哲学者や宗教者などが考えてきましたが、この本は「幸せ」を色々な角度から考え、私たちの暮らしの幸福度を高めるための示唆を与えてくれます。今回の理事長エッセイでは、その本の中に引用されているロバート・ケネディ氏(ジョン・F・ケネディ米アメリカ大統領の弟で兄が暗殺された後の大統領候補として、その選挙戦の最中に暗殺された元米司法長官)の言葉を紹介したいと思います。皆さんはどう思われますか?
 半世紀も前の彼の言葉が今の世界に改めて、大きな問いを投げかけているように思えてなりません。


50年前のメッセージ
 ロバート・ケネディ(1925.11.20-1968.6.6:ジョン・Fケネディ米大統領の弟で上院議員、大統領選挙の最中に1968年6月に暗殺される)は、1968年3月カンザス大学の演説で次のように述べました。


 私たちはもうずっと前から、個人の優秀さや共同体の価値を、単なるモノの量で測るようになってしまった。この国のGDPは、8000億ドルを越えた。 
 しかし、もしGDPでアメリカ合衆国の価値を測るのなら、GDPには、大気汚染や、たばこの広告や、交通事故で出動する救急車も含まれている。
 GDPには、ナパーム弾や核弾頭、街でおきた暴動を鎮圧するための、武装した警察の車両も含まれている。
 GDPには、玄関の特殊な鍵、囚人をかこう牢屋、森林の破壊、都市の無秩序な拡大による大自然の喪失も含まれている。GDPには、ライフルやナイフ、子どもにおもちゃを売るために暴力を美化するテレビ番組も含まれている。
 一方、GDPには、子どもたちの健康や教育の質、遊ぶ喜びは入っていない。
 GDPには、詩の美しさや夫婦の絆の強さ、公の議論の知性や、公務員の高潔さは入っていない。GDPには、私たちの機転や勇気も、知恵や学びも、思いやりや国への献身も、入っていない。
 つまり、GDPは、私たちの人生を意味あるものにしてくれるものを、何も測ることはできないのだ。
 GDPは、私たちがアメリカ人であることを誇りに思えることについて、いっさい教えてくれないのだ。もしそれが、この国において真実であるなら、世界中のどの国でもやはり真実だろう。

 

デンマーク研究会:毎月第2水曜日18:30-20:30 参加費:500円
開催場所:教育文化研究所事務所(福岡市博多区奈良屋町2-16)

 

 

Kids at ease
Time out with your friends is well spent nestling on a warm doorstep.
Photo: Bent Nセsby

★ Photos from Denmark 1  www.visitdenmark.com
2019-05-07 | Posted in 理事長エッセイNo Comments » 

 

駅に改札口が無い!?

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福岡デンマーク協会 理事長 長阿彌幹生


理事長エッセイ(9)

駅に改札口が無い!?

ヨーロッパの鉄道の駅では改札口の無い国をしばしば見かけます。国の事情などから、それが当たり前のようになっているのでしょうが、日本のような改札口のある国の人にはちょっとした驚きです。デンマークでの体験を私が文章にしていますので紹介しましょう。

 

公共交通手段の利用で体験
 デンマークではよく鉄道を利用します。私の企画するデンマーク研修ツアーでは、ツアー参加者の方々を電車やバスなどを利用して視察先にお連れします。貸切バスやタクシーなどで移動すると便利ですが、公共交通手段を使うと、デンマークの人たちの暮らしぶりを直接体験することが出来るからです。

改札の代わりに抜き打ち検札
 鉄道を利用して驚くことの一つに、デンマークの駅には改札口が無いということです。切符は購入しないといけませんが、目的の駅に到着しても改札口がありませんので、使用済みのチケットは待合室など駅構内のゴミ箱に捨てるだけです。
 改札口が無いのならば切符を買わないでも乗車出来るのではないかと思いますが、確かに乗車は出来ます。
 それなら無賃乗車が多くなるのではないかとも思いますが、その対策はちゃんと打ってあります。つまり「検札員」による抜き打ちチェックです。ある駅から十人くらいの検札員が一斉に乗り込んできて検札を行います。もちろん抜き打ちですから、検札の無いときもあります。つまり何時どこで検札があるかわからないということです

人への信頼が高い国だからこそ
 訪れたときに、私の目の前に座っていた女性が無札を見つかり、500クローネ(9000円)の支払切符を切られていました。切符を予め買ってさえいれば30クローネくらいのものですから、16倍ものペナルティを払わされたわけです。
 各駅に改札口を設置し、駅員や機械を配置・設置する方法と、改札口ではなく検札による牽制と比較して、その費用対効果はどうなのか検討に値するのではないかと思えました。それよりも何よりも、人への信頼度が高くなければこの方式は採用出来ないのではないでしょうか。

★追記:日本の電車では携帯電話の使用については遠慮または短時間利用となっていますが、デンマークには写真のような車両が必ず連結されていて、この車両では、携帯電話の使用はもちろんのこと、おしゃべり(会話)も禁止です。静かにゆっくり休みたい人、読書したい人のために設けられています。この車両は本当に静かで、ゆっくりします。

 
2019-04-15 | Posted in 理事長エッセイNo Comments » 

 

“品格”を学ぶ ~デンマーク大使にお会いして

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日常の暮らしや活動の中でデンマーク的視点からみた自分なりの気づきや感想などをご紹介し、皆様の暮らしや仕事に何かの参考にして頂ければと思っています。デンマークとは関係の無いようなエッセイもあるやもしれませんが、それも幸福という普遍的なテーマとして繋がっているものですので、拙文ですがお付き合いください。感想等頂ければ幸いです。また、私どものイベント等でもこのエッセイを種にして、お話しが出来ることを楽しみにしています。


理事長エッセイ(8)

“品格”を学ぶ ~デンマーク大使にお会いして

今から7年前の12月のこと、福岡にデンマーク駐日大使が来られました。幸いにして、福岡デンマーク協会のメンバーとの昼食会が実現し、私も大使とお会いし、歓談することができました。その時のことを書き留めた文章があります。今回は、2011年12月18日に書いた、その文章を紹介します。

 

デンマーク駐日大使との昼食会へ!
 12月16日(金)は初雪の降る寒い一日となりましたが、私にとってはとても思い出深い日となりました。
 と言うのも、この日、デンマーク駐日大使のA・カーステン・ダムスゴー大使が福岡県知事を表敬訪問された後、福岡・デンマーク友好協会の歓迎昼食会に出席されたのです。この場はデンマークの名誉領事をされていて、福岡・デンマーク友好協会の名誉会長でもある麻生泰氏(当時:麻生ラファージュセメント㈱社長)の取り計いで実現しました。

初めての来福 ダムスゴー大使
 ダムスゴー大使はデンマーク外務省の数々の要職を果たしてこられました。そして9月に着任されてからは大震災の被災地である東北に何度も足を運ばれたそうです。大使着任以前には、広島や長崎を訪れたことはあるそうですが、福岡は初めてだそうです。
 とても気さくで、いつも笑顔を絶やさず、相手の話を最後まで聴かれる態度は、謙虚であり誠実そのものでした。
 肩書きや地位にこだわらず、対等な立場で接する態度はさすがだと思いました。人権尊重=民主主義の国デンマークの大使として相応しい方だと思いました。
 麻生会長はじめ、協会やその関係者の皆さんとも話が弾み、とても和やかな昼食会になりました。
大使との昼食会のことをデンマーク在住の千葉忠夫氏(当時:日欧文化交流学院理事長)にお知らせしたところ、とても喜んでくださって、この昼食会のためにデンマークのオーデンセからクリスマスバージョンのビールなどを送ってくださいました。おかげで、大使も大喜び。母国の味を楽しまれました。

大使の自然な態度から学んだ「品格」
 昼食会の後、大使を空港までお見送りしました。フライトまでの時間が少しあったので、大使は福岡空港の貴賓室に招きいれてくださって、しばし歓談させていただきました。私は協会も協力している福岡発のデンマーク研修ツアーのことや、デンマークの美術館や博物館で感じたことなどをお話しさせて頂きました。大使からはデンマーク領のグリーンランド(世界最大の島)の素晴らしさなどのお話しを聞かせていただきました。
 率直で、穏やかな人柄にすっかり魅了されました。
 短い時間に信頼関係を築ける力は、相手の肩書や年齢などにこだわらない、分け隔ての無い姿勢にあるように思います。その国の顔として対外的な折衝や活動を行わなければなりませんが、ダムスゴー大使はその要職にふさわしい力=品格を備えられているように思いました。改めて“品格”ということを、大使の自然な態度から学ばせて頂きました。

 私はデンマークが「幸福度世界一」の国として評価されているのは、“民主主義”が生活全般にまで浸透し、相手のことを大切に思うこと、助け合って生きることなどが様々な場面で実践されているからだと思っています。
 大使とお会いして、デンマークの幸福度=民主主義が伝わって来るような気がしました。

 

画像提供:https://www.visitdenmark.com/denmark/tourist-frontpage
Royal treatment at Christiansborg Palace
Throughout Denmark you will find conference facilities of the highest quality at large and small venues.
Photo: Lars-Kristian Crone
2019-01-25 | Posted in 理事長エッセイNo Comments » 

 

ロウソクのある暮らし

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理事長エッセイ(7)

ロウソクのある暮らし

デンマークは一人当たりのロウソクの消費量が世界一です。
家庭だけでなく、レストランはもちろんですが、いろいろな場所でキャンドルが灯されています。ロウソクの灯はデンマークの人たちの暮らしには欠かせないものなのでしょう。

 

蛍光灯の灯りではないデンマークの夜
私が最初にデンマークを訪れて驚いたのが、夜の様子です。
それは日本のように明るくないのです。
日本では夜の照明は、「蛍光灯」が主です。家も商店街も白っぽい明るい蛍光灯で照らされています。これが当たり前でしたから、デンマークで夜を迎えたときにとても暗く感じました。
でも、この暗さに慣れてみると、この方が落ち着くのです。頭が夜モード、つまり寝る準備モードになるのです。いい感じだと思えるようになります。

“ヒュッゲ(寛ぎの時)”が生まれる

そういうお国柄なので、電気も暗めの電球ですし、ロウソクも食卓などでよく使われています。
デンマークの百貨店で見たロウソクの品ぞろえには驚きました。
各家庭では、ロウソクの灯をテーブルの真ん中に置いて、ゆっくりと食事をして、今日一日のことなどを話しながらの“ヒュッゲ(寛ぎの時)”を過ごすのでしょうね。

ひと時代前の日本を思い出す
私の生活に蛍光灯が入ってきたのはいつ頃のことかと振り返ると、小学校の3年生か4年生の頃だったように覚えています。
それまでは裸電球の光の下で食事をしていました。
ロウソクはありませんでしたが、暖色系の光が夜の暮らしを照らしていました。停電もよく起きていましたので、その時はローソクが必ず使われていました。テレビもまだ無かった頃です。車も少なく、夜になると静かな時間が拡がっていました。デンマークでロウソクの光で食事をしていると、そんなことを思い出します。

あたたかな思い出広がる灯(あかり)
クリスマスの頃になると、デンマークのお店ではロウソク売場が活気づきます。
クリスマスの夜は蛍光灯の明々とした光よりも、やはり、ロウソクの温かい、ほの暗い灯の方が夢があるように思えます。
子どもたちの笑顔がロウソクの光に照らされて、和やかな家庭の雰囲気が思い浮かびますね。

親と子の温かな時間がある
デンマークの親子関係はとても親密です。その深い愛情を築くのに欠かせないのが“グッドナイトストーリー”と呼ばれている、就寝前の子どもたちへの本の読み聞かせです。
子どもたちの就寝の時間になると、親は子ども部屋に行き、絵本の読み聞かせをします。子どもたちはいそいそとパジャマに着替えて、ベッドに飛び乗ってきます。そして、親の優しい声で読まれるお伽(とぎ)の世界に夢を馳せます。親の温もりを肌で感じながら、安心して夢路をたどるのです。

そのような、穏やかで和やかな暮らしをロウソクは支えてきたように思います。
ロウソクのゆっくりとした時間が似合う。そんな暮らしを、一年中は無理でも、月に何日かを過ごしたいものですね。

2018-12-21 | Posted in 理事長エッセイNo Comments » 

 

ヴァイキングへの誤解?

私たち一般社団法人福岡デンマーク協会のホームページにアクセスして頂きありがとうございます。
私は当法人の理事長の長阿彌幹生(ちょうあみみきお)です。
日常の暮らしや活動の中でデンマーク的視点からみた自分なりの気づきや感想などをご紹介し、皆様の暮らしや仕事に何かの参考にして頂ければと思っています。デンマークとは関係の無いようなエッセイもあるやもしれませんが、それも幸福という普遍的なテーマとして繋がっているものですので、拙文ですがお付き合いください。感想等頂ければ幸いです。また、私どものイベント等でもこのエッセイを種にして、お話しが出来ることを楽しみにしています。


理事長エッセイ(6)

ヴァイキングへの誤解?

私の企画するデンマーク研修ツアーは今年も11月11日から18日の8日間開催されました。20名を超える皆さんが福岡、熊本、宮崎、沖縄、広島から参加されました。幸福度世界一のデンマークの福祉や教育を丁寧に視察して回り、多くの気づきの得られたツアーとなりました。

そのツアーの中でデンマークの文化や歴史を知る時間も設けてあり、いろいろな場所を巡ります。数年前のツアーではデンマークの地方都市ロスキレにあるヴァイキング博物館を訪れました。そのときのことをエッセイにしました。

 

ヴァイキング博物館を訪ねる
世界遺産のロスキレ大聖堂(12世紀~13世紀に建築)のある丘から眺めると、緩やかな斜面の向うに静かな入り江が拡がっているのが見えます。
この入り江は太古の昔に氷河が大地を削って出来たフィヨルドなのです。ヴァイキング博物館はその岸辺に建てられています。

海賊のイメージではなかった!
この博物館を訪れて、私がヴァイキングについて大きな誤解をしていたことに気が付きました。
それまでは、ヴァイキングと言えば、「海賊」というイメージで野蛮で残虐なものでした。このイメージは未だに多くの人たちの中にあると思います。

高度な技術で海を駆けた民族
博物館の中の様々な掲示物や文書を見ていくことで、彼らが8世紀~11世紀にかけてヨーロッパに大きな影響を与えた非常に優秀な民族だったことを知りました。
スカンジナビア地方において、農民であり漁民だった彼らは手工業などでも、当時高度な技術を有していました。さらには大型の木造船の建造においても優れていて、その船を用いて、東はロシア、西はグリーランド辺りまでを対象とした交易を行い、政治的・経済的に大きな影響を与えていました。

ヴァイキングが教えてくれた
海賊のイメージは、ヴァイキングたちの一部が行った略奪的行為が拡大解釈されて、ヴァイキング全体のイメージになっていったのではないかとされています。
私も恥ずかしながら、この日までそういうイメージを持っていました。よく知りもしないのに、「ヴァイキング=海賊」と誤解し、思い込んでいた自分の姿を博物館で気が付かされました。自分の愚かしさをヴァイキングに教えてもらったような気がしました。

2018-11-22 | Posted in 理事長エッセイNo Comments » 

 

子どもにやさしい国

私たち一般社団法人福岡デンマーク協会のホームページにアクセスして頂きありがとうございます。
私は当法人の理事長の長阿彌幹生(ちょうあみみきお)です。
日常の暮らしや活動の中でデンマーク的視点からみた自分なりの気づきや感想などをご紹介し、皆様の暮らしや仕事に何かの参考にして頂ければと思っています。デンマークとは関係の無いようなエッセイもあるやもしれませんが、それも幸福という普遍的なテーマとして繋がっているものですので、拙文ですがお付き合いください。感想等頂ければ幸いです。また、私どものイベント等でもこのエッセイを種にして、お話しが出来ることを楽しみにしています。


理事長エッセイ(5)

子どもにやさしい国。

「児童の権利に関する条約(子どもの権利条約)」は、子どもの基本的人権を国際的に保障するために定められた条約です。
18歳未満の児童(子ども)を権利主体と位置づけ、大人と同様、一人の人間としての人権を認めるとともに、成長の過程で特別な保護や配慮が必要な、子どもならではの権利も定めています。子どもの生存、発達、保護、参加という包括的な権利を実現・確保するために必要となる具体的な事項を規定。1989年の第44回国連総会において採択され、1990年に発効しました。日本は1994年に批准しました。

第2次世界大戦でナチスによって多くのユダヤ人が虐殺されましたが、子どもも容赦なく殺されました。最も大きな被害を受けたポーランドの発案により、世界中から法律家が知恵と心を寄せて未来を担う子どもたちの人権を守ろうとこの条約を作り、採択しました。現在ほとんどの国が批准、加盟、継承、署しています。

そのような中、日本では虐待事件が絶えません。全国の児童相談所は保護された子どもたちで溢れています。まだまだ子どもの権利が十分に保障されているとは言えない状況です。そういう意味でデンマークの子どもたちは、「国の宝」として、社会全体から大切に育てられています。

今回も私の自著「長阿彌幹生のデンマーク読本(教育文化研究所出版)から一部を抜粋及び加筆して掲載させていただきます。お楽しみいただければ幸いです。


子どもの人権が守られる社会の仕組み。

毎年訪問するデンマーク
 毎年、私が企画している研修ツアー(※毎年11月開催)で、デンマークを訪れては、福祉や教育、介護などの現場で実務を担当している人たちから、デンマークの取組みやその考え方などを学んでいます。毎回、多くの気付きや発見を得られて、実り多い訪問になっています。 

待機児童問題がないデンマーク
 その中の気付きを一つ紹介しましょう。
 それはデンマークは「子どもにやさしい国」だということです。
 コペンハーゲンを散歩していると、子どもの姿の多さに気が付きます。

 写真は保育ママに連れられて公園に遊びにいく子どもたちです。保育ママという子育て経験のある人が2人~4人の子どもを自宅で預かる仕組みです。この写真では、3人の保育ママが7人の子どもを遊びに連れていくところでした。
 デンマークでは夫婦共働きが普通ですので、保育に関しての仕組みが整備されていて、保育園の他にも、このような保育ママ制度があり、多くの家庭が利用しています。待機児童問題はデンマークでは起こりようがないのです。

家庭優先が活かされた仕事環境
 安心できる保育システムのおかげで、親たちは思い切り仕事に打ち込むことが出来ます。だからと言って「仕事人間」にはなりません。16時の終業時刻を過ぎると、一斉に仕事を終えて、保育所や保育ママのところに子どもを引き取りに行きます。
 デンマーク人はほとんど残業をしません。
 何よりも家庭、家族を優先して暮らしているからです。その結果、家で親子がゆっくりと過ごすため、愛情や信頼に満ちた親子関係が築かれています。

公共交通機関も乳母車で
 また、乳母車を押している人たちも多くいます。バスや電車に大きな乳母車が簡単に乗せられるからです。低床式の車両に加えて、乳母車用のスペースが用意してあるからです。自宅から公共の交通手段で、乳母車ごと乗車して、都心まで出かけることができます。

 乳母車が大きいのは、赤ちゃんが大きいからというよりは、赤ちゃんの居住性、快適性から大きめのゆったりしたものになっているようです。安定性があり、安全でもあります。
 この大きな乳母車を、夫婦が楽しそうに会話しながら押している様子は平和そのものです。両親の仲良しな様子や笑顔は子どもにとっても最適な環境です。
 ちなみにデンマークでは、赤ん坊を乳母車に乗せて、冬は防寒着を着せて屋外で昼寝をさせます。寒さに慣らすのと、長い冬には少しでも日光に当てるためだそうです。

人権の守りの中でたくましく育つ
 こんな様子を見るたびに、デンマークは子どもを大切にしている国だなあとつくづく思います。教育費も医療費も無料で、しかも宿題もテストもなく、子どもの人権を尊重し、子どもらしく、かつたくましく育つことを重視しているデンマークの考え方が、何気ない街の様子からも伺えます。

2018-10-19 | Posted in 理事長エッセイNo Comments » 

 


川邊事務所
川邊事務所 | KAWABE OFFICE. 
株式会社ダイドー不動産 
Sasukee | サースケ 
無農薬野菜・有機野菜のオーガニックパパ  
欧州「最新建築」撮り歩記