理事長エッセイ

幸福度の測り方

私たち一般社団法人福岡デンマーク協会のホームページにアクセスして頂きありがとうございます。
私は当法人の理事長の長阿彌幹生(ちょうあみみきお)です。
日常の暮らしや活動の中でデンマーク的視点からみた自分なりの気づきや感想などをご紹介し、皆様の暮らしや仕事に何かの参考にして頂ければと思っています。デンマークとは関係の無いようなエッセイもあるやもしれませんが、それも幸福という普遍的なテーマとして繋がっているものですので、拙文ですがお付き合いください。感想等頂ければ幸いです。また、私どものイベント等でもこのエッセイを種にして、お話が出来ることを楽しみにしています。

福岡デンマーク協会 理事長 長阿彌幹生


理事長エッセイ(17)

幸福度の測り方

注目される世界幸福度報告書 
 
幸福度調査とは、人々が感じている幸福の度合いを数値化し、その背景を分析する調査です。国際連合の関連機関であるSDSN(Sustainable Development Solutions Network、持続可能な開発ソリューション・ネットワーク)が2015年から毎年公表している「世界幸福度報告書」(World Happiness Report)が注目されています。

主観的な幸福を測定&理解する 
・SDSNから公表されている世界幸福度報告書の目的は、主観的な「幸福」(well-being)を測定・理解することです。世界幸福度報告書は、独立した専門家たちが個人の資格で執筆し、特定の団体の見解を示してはいません。

2位デンマーク、日本は62位に 
・SDSNが公表している世界幸福度報告書のうち、特に注目されているのが「幸福度ランキング」(Ranking of Happiness)です。自身の生活について人々に0から10の数値で回答してもらい、その結果の平均を国別にまとめたもの。2020年のトップ5は、1位フィンランド、2位デンマーク、3位スイス、4位アイスランド、5位ノルウェーで、ほぼ北欧の国が占めています。日本は年々そのランクを下げていて156カ国中62位です。※他の主要国のランキングはカナダ11位、英国13位、ドイツ17位、米国18位、フランス24位、イタリア30位でした。幸福度ランキングを作成するにあたって使われたアンケートの質問文は以下の通りです。

気づかされる質問項目 
・世界幸福度報告書では、下記の質問によって数値化された幸福度の背景を分析しているそうです。
①「一人あたりのGDP」
②「社会的サポート」
③「健康寿命」
④「生活に関して選択をする自由」
⑤「寛容さ」
⑥「腐敗に対する感覚」といった要素で集計・分析が行われています。
②「社会的サポート」は、「困ったとき、いつでも頼れる親類や友人がいますか」という質問
④「生活に関して選択をする自由」は「生活における行動を選ぶ自由に満足していますか」という質問
⑤「寛容さ」は「この1カ月間で寄付をしましたか」
⑥「腐敗に対する感覚」は「国家組織中に腐敗は広がっていますか」および「産業界に腐敗は広がっていますか」という質問への答えから数値化されています。
 これらの数値が高いほど、幸福度ランキングで上位になります。

項目に沿ってデンマークを見る、日本を見る
 さて、この質問に対して10段階で評価するなら、あなたは日本の幸福度をどのように評価しますか?
 評価者として、日本の国の状況をアンケートに答えるようなつもりで考えてみましょう。そして、問題点があれば、それに対して何ができるかを考え、実践してみませんか。

2020-07-17 | Posted in 理事長エッセイNo Comments » 

 

禍を転じて福と為す

私たち一般社団法人福岡デンマーク協会のホームページにアクセスして頂きありがとうございます。
私は当法人の理事長の長阿彌幹生(ちょうあみみきお)です。
日常の暮らしや活動の中でデンマーク的視点からみた自分なりの気づきや感想などをご紹介し、皆様の暮らしや仕事に何かの参考にして頂ければと思っています。デンマークとは関係の無いようなエッセイもあるやもしれませんが、それも幸福という普遍的なテーマとして繋がっているものですので、拙文ですがお付き合いください。感想等頂ければ幸いです。また、私どものイベント等でもこのエッセイを種にして、お話が出来ることを楽しみにしています。

福岡デンマーク協会 理事長 長阿彌幹生


理事長エッセイ(16)

禍(わざわい)を転じて福と為す

幸福度の高さは、子どもの幸せがカギ! 
 デンマークからいろいろなことを学んできましたが、世界中を不安に陥れている新型コロナウイルスの蔓延についても、デンマークならばどのような対応をとるのだろうかと注目しています。
 おそらく、まずは蔓延をどう防ぎ、収束に向かわせるかを最優先に考えるでしょうが、おそらくデンマークは、より長い射程でこのことを捉えているのではないかと思います。
 では、新型コロナウイルス対応についてのデンマークの現状を伝える記事を紹介しましょう。

■コロナ危機で「働く人を全員守る」 デンマークと日本の驚くべき大違い~非正規も正規も関係ない デンマークでは「均等待遇」(現代ビジネス2020/4/7)         
              
 
デンマーク在住の小島ブンゴード孝子さんにデンマークの状況と日本の現状を比べてもらった。
 デンマークでは感染の拡大を防ぐために非常事態宣言が出され、10人以上の集まりや、濃厚接触の可能性が高い事業の営業の禁止などを政府が発表している。だが、家族と仕事の両立や、自力で学べる仕組みへ向け、日常的にIT教育に多額の公的資金が支出されてきたため、感染防止のための在宅ワークや在宅学習への移行は円滑だという。
 日本との大きな違いは、働き手のために税金を使うという基本姿勢が、非常時の安心をつくっている点だ。また、企業別ではなく職業別の労組が67%(2016年時点)の組織率を維持し、会社や雇用形態を越えて、同じ仕事なら同じ賃金と、労働条件が確保されてきた点も大きい。
 その結果、パートタイム労働者は正規労働者扱いであり、労働条件はフルタイムと変わりない。年金も含め、それが労働者の最大の安心・保証に繋がり、今回の局面での政府の保障措置も、すべての働き手に行きわたりやすい。
 日本では、非正規、フリーランスなど雇用保障が極端に弱い働き手が増やされ続け、リーマンショック、大災害と緊急時のたびに大量の働き手が貧困化する構造を作り上げてしまった。そんな構造が、「労働弱者」とも言える働き手への差別も増幅させた。
そうした事態に真に対応するには、一見、迂遠なようでも「企業の活躍より働き手の安心」を軸にした労働政策の大転換という長期の視点が不可欠なことを、今回の感染拡大は語りかけている。

■行動自粛どう呼び掛ける? 
識者「日本は表現があいまい」(西日本新聞2020/4/1 ) 

 新型コロナウイルスが世界中で猛威を振るう中、各国首脳が国民に向けて発信するメッセージが注目を集めている。有効な治療法がなく、国民に行動制限を求めるしかない現状では、心に響く首脳の「言葉」は大切だ。各首脳のキャラクターの違いも透けてくる。
 「何より子どもたちの健康、安全を第一に考えた」。2月27日、安倍晋三首相は全国の小中高校などに一斉休校を要請した。評価は相半ばしているが、唐突な発表に現場は混乱。「私の責任で判断した」として、根拠を十分説明しなかったことにも批判が集まった。
 同様に休校要請をしたデンマークのフレデリクセン首相は、当事者である子ども向けにオンラインで会見を開いた。「外で遊んでも大丈夫ですか」「70歳のおばあちゃんは感染したら死ぬの?」-。子どもたちの質問に一つ一つ答える様子はテレビで3月13日に放送された。在日デンマーク大使館によると、フレデリクセン氏は就任時、「私は子どもたちのための首相になりたい」と述べたという。
 北海道大公共政策大学院の鈴木一人教授(国際政治)は「なぜ学校に行けないのか、なぜ家にいなければいけないのか、子どもが抱える不安やストレスをしっかりケアした会見」と高く評価。「政治において最も大切な説明責任を果たしている。全ての国が行うべきことだ」と話す。
 同18日、ドイツのメルケル首相が行った演説も会員制交流サイト(SNS)を中心に拡散している。メルケル氏は入国制限などについて、旧東ドイツ時代の経験に照らし「移動の自由を苦労して勝ち取った私のような人間にとって、こうした制限は絶対に必要な場合にのみ正当化される」と述べた。医療従事者の他、買い占めに対応するスーパーのレジ係や商品の補充係に感謝の気持ちを述べた点なども支持されている。
 鈴木教授はメルケル氏の演説に関し、科学的根拠に基づく発言が多い点にも注目する。「根拠のある正確な情報を伝えることで国民の信頼を得ている」。対照的な例に、米国のトランプ大統領が「4月12日の復活祭までに経済活動の自粛を緩和する」とした発言(後に撤回)を挙げる。「国民に希望を持たせることは大事だが、科学的な根拠がない。偽りの希望を持たせることは事態を悪化させる」
 国民性や政治家への信頼度は国によって異なる。鈴木教授が重視するのは、国民の共感を得る「キーワード」の発信だという。
 フランスのマクロン大統領は、全土での外出制限を表明した会見で「(ウイルスとの)戦争状態」という言葉を使った。鈴木教授は「国民の行動を制限するときには、危機的な状況が一瞬にして共有されるメッセージが大切。日本の政治家はあいまいな表現が多く、これといったキーワードがない」と話した。 (本田彩子)


 この二つの記事からも、デンマークなど先進国の優れた姿勢が伝わってきます。
 新型コロナウイルスへの対応は目先だけでなく、自分のことだけでなく、もっと大きな広範囲な協力と連帯を必要としています。このことは良い意味で世界が一つになり協力して、立ち向かっていけることを確信できるチャンスではないでしょうか。愛と知恵があれば、きっと私たちは“コロナ禍”を転じて“福”と為すことが出来るはずだと信じてやみません。

www.visitdenmark.com
Photos from Denmark
Photo: Bent Næsby

2020-04-12 | Posted in 理事長エッセイNo Comments » 

 

子どもが幸せに育つ条件

私たち一般社団法人福岡デンマーク協会のホームページにアクセスして頂きありがとうございます。
私は当法人の理事長の長阿彌幹生(ちょうあみみきお)です。
日常の暮らしや活動の中でデンマーク的視点からみた自分なりの気づきや感想などをご紹介し、皆様の暮らしや仕事に何かの参考にして頂ければと思っています。デンマークとは関係の無いようなエッセイもあるやもしれませんが、それも幸福という普遍的なテーマとして繋がっているものですので、拙文ですがお付き合いください。感想等頂ければ幸いです。また、私どものイベント等でもこのエッセイを種にして、お話が出来ることを楽しみにしています。

福岡デンマーク協会 理事長 長阿彌幹生


理事長エッセイ(15)

子どもが幸せに育つ条件

幸福度の高さは、子どもの幸せがカギ! 
 私はデンマークを毎年訪れていますが、それはデンマークには私たち日本人に見えなくなってしまった、人間としての本来の在り方が家庭や学校、地域に具現化されているからです。とても示唆に富んでいる国なのです。
 国際的な幸福度調査で何度も世界一になっているデンマークでは、幸福度の高さは、子どもが幸せであるかどうかと密接な関係にあるという考えが社会の隅々まで浸透しています。
 子どもの幸せは社会の幸せのバロメーターなのです。

各家庭の教育費負担が多い日本と比べて
 デンマークのGDP(国内総生産)対比が7.6%もあり、世界でも多い国です(※日本は3.59%でOECD加盟30ケ国中最下位)。この結果、少人数クラスや複数担任制の実現や、教師の研究時間の保障など実施され質の高い教育が行われています。
 学校は「専門性と社会性を身に付ける場」とされています。 
 「専門性」は知識や情報、技術であり、教師が担当し、「社会性」は「仲良く助け合う力」のことで、この部分はペタゴー(社会教育士)の役割です。この「社会性」と「専門性」がデンマークの教育での車の両輪として位置づけられています。

★近年の参考データはコチラを参照
 資料: GLOBAL NOTE 出典:UNESCO(UNESCO Institute)

誠実に対応する社会教育士の姿
 11月にデンマークで基礎教育学校(10年制の義務教育学校)を訪れたときに、低学年クラスで若い女性のペタゴー(社会教育士)が一人の児童を膝の上に乗せて、その話に耳を傾けていました。子どもは泣きながら何か必死に話しています。ペタゴーは穏やかな表情でずっと子どもの話を聴いていました。
 ペタゴーの泣いている子への誠実な態度や、その態度を他の子どもたちがしっかり見ていた様子などから、当の子どもの声を尊重することは勿論大切ですが、態度が見守る子どもたちのペタゴーへの信頼感や安心感に繋がっているということも大切なことだと思えました。もし自分が泣きたくなったら、ペタゴーは同じように向き合ってくれるだろうと・・・。

子どもたちが幸せに育つには、
意見や気持ちが尊重されること

 デンマークでも子どもたちの間で喧嘩やいじめは起きているが、ペタゴーが双方の意見をしっかり受け止め、話し合いを通じて関係の修復を促している。
 「いじめはダメ」と一方的に決めつけないで、どうしてそうなったのかを子どもたち自身が考え、仲良しな関係を再構築していくのを丁寧に見守っている。
 子どもたちが幸せに育つには、自分の意見や気持ちが尊重されることが大切な条件のように思う。このことで他者への信頼感が強まり、共に協力して住み良い社会を創っていこうとする力も湧いてくる。
 私たち大人が「尊重」という言葉を真に理解し、子どもと向き合えば、子どもは幸せに育ち、幸福な社会を築く大人に成長していくのではないかと思う。

 

2020-01-15 | Posted in 理事長エッセイNo Comments » 

 

SDGs(エス・ディ・ジーズ)世界一の国デンマーク

私たち一般社団法人福岡デンマーク協会のホームページにアクセスして頂きありがとうございます。
私は当法人の理事長の長阿彌幹生(ちょうあみみきお)です。
日常の暮らしや活動の中でデンマーク的視点からみた自分なりの気づきや感想などをご紹介し、皆様の暮らしや仕事に何かの参考にして頂ければと思っています。デンマークとは関係の無いようなエッセイもあるやもしれませんが、それも幸福という普遍的なテーマとして繋がっているものですので、拙文ですがお付き合いください。感想等頂ければ幸いです。また、私どものイベント等でもこのエッセイを種にして、お話が出来ることを楽しみにしています。

福岡デンマーク協会 理事長 長阿彌幹生


理事長エッセイ(14)

SDGs(エス・ディ・ジーズ)
世界一の国デンマーク

SDGsはデンマーク国民全員の目標 
 SDGsとは「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称です。日本では知らない人の方が知っている人よりも多いのが現状です。2015年9月に国連サミットで採択されて、国連加盟193ケ国が2016年から2030年の15年間で達成するために掲げた目標です。17の大きな目標と、それらを達成するための具体的な169のターゲットで構成されています。
 私は来月デンマークをはじめ、フィンランドやオランダを訪問して、その優れた教育や福祉などを学んできますが、これらの国では国民全員の目標として取り組まれています。特にデンマークはその進捗度合いが世界一ということで、世界最先端の取り組みが行われています。
 SDGsは一人も取り残されることなく、世界中の人たちが幸せになるために設定された目標ですので、日本のように国の取り組みが遅れていても、そのことの重要性や先駆性に目覚めた人たちや、団体、自治体による取り組みで世界中の人たちと連帯していけます。
 今日からでも、明日からでも取り組みを始めましょう!

★SDGs世界一のデンマークの取り組みについての紹介
 デンマークでは、SDGsからソリューションを生み出す大規模なイノベーションラボがスタートしています。
 このラボを主催するのは、非営利団体「UNLEASH(アンリーシュ)」。「UNLEASH」のパートナー企業は200以上に上り、スポンサーには日本の「あしなが育英会」やデンマークのアパレル企業「BESTSELLER」、シンガポールの「TEMASEK」、世界糖尿病財団「WORLD DIABETES FOUNDATION」などが名を連ねています。
 今回はそんな「UNLEASH」の活動やラボで実際に生まれたソリューション、そして、デンマークのサステナビリティ教育のいまについて、実際にデンマークを旅して目にした光景を通してご紹介します。

「UNLEASH Lab」でミレニアル世代が生む
新しいソリューション

 「2030年までにSDGsのすべての目標を達成するには、できるだけ多くのソリューションを見つける必要があります。
 新しいソリューションを持つ企業には、30歳未満の人々──いわゆるミレニアル世代が多いことがわかっているため、私たちはミレニアル世代の若者を多く選出しラボを開くのです。そういった世代はサステナビリティに大きな関心を寄せていますし、より公正で平等な世界を見たいと思っているので、SDGsの実現性をより高めることに繋がる、と考えています」。UNLEASHの運営メンバーは、イノベーションラボが始まった経緯をそう語ります。

 

2019-11-15 | Posted in 理事長エッセイNo Comments » 

 

「勉強」から「学問」へ

私たち一般社団法人福岡デンマーク協会のホームページにアクセスして頂きありがとうございます。
私は当法人の理事長の長阿彌幹生(ちょうあみみきお)です。
日常の暮らしや活動の中でデンマーク的視点からみた自分なりの気づきや感想などをご紹介し、皆様の暮らしや仕事に何かの参考にして頂ければと思っています。デンマークとは関係の無いようなエッセイもあるやもしれませんが、それも幸福という普遍的なテーマとして繋がっているものですので、拙文ですがお付き合いください。感想等頂ければ幸いです。また、私どものイベント等でもこのエッセイを種にして、お話しが出来ることを楽しみにしています。

福岡デンマーク協会 理事長 長阿彌幹生


理事長エッセイ(13)

「勉強」から「学問」へ


勉強がつまらないと感じた学生時代
 中学や高校時代に「どうして“勉強”ってつまらないのだろう」と思っていました。しかし、友人たちは、旺文社の“赤豆”という英単語帳に代表される入試用の教材を必死になって丸暗記していました。私にはとても真似が出来ませんでした。 もともと暗記が苦手だったのかと言うとそうでもなく、小学校4年生の時には世界中の山や川などをその高さや長さやその順番まで覚えていました。先生から頼まれてその知識を授業で披露したこともあるくらいです。
 何が違っていたのでしょうか。
 小学校の地理については宿題やテストではなく、知らない世界への興味から、誰から言われるのではなく、自ら進んで学んでいました。地図上のヒマラヤ山脈を表す濃い茶色を見ると、そこに高い山が盛り上がっているように思えました。日本海溝の濃いブルーには底知れない深さを感じ、平らな地図が凹凸のあるものに見えていたのです。

何が自分の目的なのか? 
 ところが、受験勉強になったとたんに、私の興味や関心は薄れてしまいました。目的が受験、つまり試験で何点とれるかになり、知的好奇心の世界ではなくなってしまったからです。それでも勉強していたのは、将来のことを親や教師から「高校くらい出ておかないと」「大学くらいは・・・。」などなど。しかし、それが私には目的とは思えませんでした。 そんな風だったので、高校は好きな読書以外はろくに勉強もしないで卒業しました。
 幸運だったのは先輩に勧められて入った大学で、社会をもっと良いものにしていこうとして活動している先輩や友人に出会ったことです。学生の出来ることは知れていますが、本当に住みよい社会とはどういうものなのか、その社会に自分はどう関わっていこうとするのかを考えることは、とても楽しかったです。

もっと学びたいという思いを手に入れた!
 以降、どんな仕事をしたい、どんな会社に入りたい、いくら稼ぎたいなど具体的なものではなく、世界と自分との関係を検べ、深めていくことに夢中になりました。
 小学校時代のあの感覚が蘇りました。おかげで大学4年間は幅広く世界のいろいろなことを学ぶことができたと思います。学べば学ぶほど、自分の知らなさ、至らなさを実感し、もっともっと学びたいという意欲にかられました。その情熱は還暦を過ぎた今も、私の中で燃えていて、生きるエネルギーになっています。

自らが学び問う姿勢を子どもたちへ! 
 私たち親や大人は子どもたちに「勉強(勉めることを強いる)」のではなく、「学問する(自らが学び問う)」姿勢を子どもたちに伝えていくことが必要ではないでしょうか。知らないものを知る「わくわく感」を伝えられればと思います。大人たちが、目を輝かせて、自分の面白く感じている世界を「学ぶ」姿は、子どもにとって大きな刺激になるでしょう。そんなに面白いものならば、教えて欲しい、もっと知りたい。そうして、子どもたちは自らで「学び」のスイッチを入れていくことでしょう。
 そう思うと、改めて私たち大人の生き方が問われているのではないでしょうか。現実に妥協し、学ぶことを忘れ、その楽しみを諦め、目先の利益だけしか眼中にない、刹那的な生き方になっていないでしょうか。拝金主義、学歴主義、競争主義という利己的な固定観念で子どもたちを縛っていないでしょうか。

 デンマークの学校基本法に「学校の役割は子どもたちに困難な未来を切り拓くための楽観的展望を与えること」という条文がありますが、この条文は学校だけの役割ではなく、私たち親や大人たちの役割でもあるのではないでしょうか。私たちの生き方でそのことを伝えていければと思います。 

2019-08-20 | Posted in 理事長エッセイNo Comments » 

 

幸福度の高さは教育の豊かさに比例する

私たち一般社団法人福岡デンマーク協会のホームページにアクセスして頂きありがとうございます。
私は当法人の理事長の長阿彌幹生(ちょうあみみきお)です。
日常の暮らしや活動の中でデンマーク的視点からみた自分なりの気づきや感想などをご紹介し、皆様の暮らしや仕事に何かの参考にして頂ければと思っています。デンマークとは関係の無いようなエッセイもあるやもしれませんが、それも幸福という普遍的なテーマとして繋がっているものですので、拙文ですがお付き合いください。感想等頂ければ幸いです。また、私どものイベント等でもこのエッセイを種にして、お話しが出来ることを楽しみにしています。

福岡デンマーク協会 理事長 長阿彌幹生


理事長エッセイ(12)

幸福度の高さは教育の豊かさに比例する~デンマークから学ぶ

デンマークは先進国中GDP対比教育予算の最も高い国です(註1)。その結果、小人数学級(28名定員)や複数担任制などが実現しています。また、質の高い教育を保障するために教員資格取得には大学院(修士課程)修了が必要です。
デンマークの教育は「自ら考える」ことが中心です。教育目標を子どもたちが自立するために必要な力を培うことに主眼を置いているからです。それぞれの意見や個性が尊重されながら、専門性(知識・技術)と社会性(協力して社会を支える姿勢)が教育の両輪として進められています。

楽しく心が満たされる場所、それが学校 
 私が日本で不登校当事者の支援活動をしていることをデンマークの学校関係者に話すと、異口同音に「それは学校が楽しくないからだ」と言われます。
 デンマークでは、学校が子どもにとって、楽しく心の充たされる場所であることを目指して運営されています。同時に、フリースクール(私立の教育機関)やホームスタディ(家庭学習)なども教育の場として認められていて、多様な学びが保障されています。その結果、すべての子どもに「学ぶ権利」が保障されています。

高校進学率50%程度
 義務教育(国民学校)は10年間。6歳を0年生としてスタートし、15歳の9年生で卒業します。進級や卒業は子どもたちの成長、本人や保護者の意向も考慮しながら決められます。面白いのは10年生というクラスがあって、進路などを決めかねている子どものために、もう1年間在籍して将来を考えることもできます。
 デンマークは資格社会。学歴ではなく、何ができるかが問われます。そのため高校進学率は50%程度で、半分は職業専門学校に進学し、働くための資格や技術を身に付けます。途中で高校への転学、専門学校への編入等の進路変更もしやすく、自分の未来を安心して描ける教育制度になっています。
 また、大学院まで授業料は無料。加えて返済不要や無利子の奨学金が用意されていて、学生の生活保障も行き届いています。また働き始めても、退職して学び直すときにも奨学金や所得補償などの制度があり、いつからでも学び直すことが出来ます。生涯を通じて学びが保障されていると言えるでしょう。

日本の改革に役立てたい! 
 このような多様で豊かな教育の機会の保障は高い税金によって支えられています。「税金はみんなの未来への投資」という考えが国民に浸透していて、実際にも税収の70%が教育をはじめ福祉、医療分野に再配分され、協力し、支え合う社会づくりが進められています。
 私は毎年デンマークを訪れて、その高い幸福度を実現している考え方や仕組みを学び、日本の改革に役立てるにはどうしたら良いかを考えています。デンマークは特別に優れているわけではありません。当たり前のことを当たり前のように実践している国です。日本が当たり前のことを普通にできる国になるために、デンマークは多くの示唆を与えてくれる国ではないかと思います。

 
【註1】経済協力開発機構(OECD)2015年度発表データ:国内総生産(GDP)に占める教育機関への公的支出の割合は日本3.6%で30カ国中最下位だった。最下位は4年連続。最も高かったのは、デンマークの7.6%、2位ノルウェー7.5%、3位アイスランド7.0%、4位ベルギー・フィンランド6.4%と続く。

2019-07-16 | Posted in 理事長エッセイNo Comments » 

 

デンマーク人の胆力

私たち一般社団法人福岡デンマーク協会のホームページにアクセスして頂きありがとうございます。
私は当法人の理事長の長阿彌幹生(ちょうあみみきお)です。
日常の暮らしや活動の中でデンマーク的視点からみた自分なりの気づきや感想などをご紹介し、皆様の暮らしや仕事に何かの参考にして頂ければと思っています。デンマークとは関係の無いようなエッセイもあるやもしれませんが、それも幸福という普遍的なテーマとして繋がっているものですので、拙文ですがお付き合いください。感想等頂ければ幸いです。また、私どものイベント等でもこのエッセイを種にして、お話しが出来ることを楽しみにしています。

福岡デンマーク協会 理事長 長阿彌幹生


理事長エッセイ(11)

デンマーク人の胆力(たんりょく)。

デンマークに行って感じたことの一つに“胆力”(タンリョク=ものに動じない気力・腹の据わった精神力)というものがあります。いろいろな場面で感じましたが、今回はコペンハーゲン国立美術館での体験を紹介します。

コペンハーゲン国立美術館を堪能
 コペンハーゲン国立美術館は、今から130年前に建築された棟と、その裏側に新しく建て増しされた棟の二つの棟から成り、数多くの美術品が展示してあります。訪問した日は雪の朝ということもあって、午前中の美術館は人影も少なく、ゆっくりとした時間が流れていました。
 
 入館者は1階の吹き抜けホールから広い地下のロッカースペースに降りて、コートやバッグなどをロッカーに入れてから展示スペースに入館します。この地下スペースも広々としていて、静かでほっとする感じのする場所でした。

 ロッカースペースから展示スペースへと進むと彫刻、絵画、立体芸術、映像芸術など様々な作品を観賞することができます。丁度、この時は昔のデンマークの家の中の様子を再現した迷路のような展示があり、観客は作品の中を通過しながら観賞するのですが、何とも不思議な時間を忘れさせてくれるような作品でした。そのような展示スペースを過ぎると、絵画の展示スペースになります。

 古い宗教画など時代別の展示になっている部分や、レンブラントなどオランダの画家を中心として風景画のスペースなど、展示もバラエティに富んでいます。風景画は大きな展示用の壁面に大小の絵が所狭しと掲げてあって、それを一枚一枚観賞していくだけでも一日はかかりそうなボリュームです。

 近代絵画のスペースでは、モジリアーニ、ムンク、マチス、ルオー、ブラック、ハンマースホイなどの絵画界の巨匠の作品が展示されています。
 そして驚くのは、その作品のどれにもロープが張ってあったり、物々しいガラスケースなどに入れられていないのです。至近距離での観賞も可能なのです。写真撮影もフラッシュ撮影でなければ可能です。
 私はこれらの名画を自分の気に入った距離で遠くから、近くからじっくり観賞しました。カンバスに残された巨匠たちの筆遣い・息遣いのようなものを感じることが出来、本当に感動しました。

 

何が大切かを教えてくれているよう・・・
  この美術館を見終わって、再び地下のロッカースペースに戻ったときに、この国の“胆力”というものを見せ付けられたように思いました。「絵は観る人のためにある」という当たり前のことが当たり前のように実践してあるのです。

 数々の名画は相当な価値がするものばかりです。日本での常識で考えると、これほどのものを何と無用心なことかと思うかもしれません。盗まないまでも、誰かが触ったり、傷つけたりしないとも限りません。それが、これほどまでに開放されて展示されているということは、観る人たちへの信頼感が根底にあること。そして万一心ない者が傷つけたとしても、その時は修理すれば良いではないか、という“物よりも人を大切にする”という考え方があるからではないかと思いました。  

 この日めぐり合った芸術作品の数々にも感動しましたが、この美術館の観客への信頼感、人間尊重の姿勢、その基盤となる“胆力”にも感動しました。
 このことをみても、デンマークという国が「私たちに何が本当に大切なものなのか」を示してくれているように思えてなりません。

■掲載写真は、コペンハーゲン国立美術館内の画家ヴィルヘルム・ハンマースホイの展示室です。
  ハンマースホイはデンマークの近代美術を代表する世界的な画家です。
  高価な絵が展示してありますが、この展示室にも警備員や監視スタッフの姿や、接近防止のためのロープはありません。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

追記

 4月から私が主宰しているデンマーク研究会(註)では、デンマークの幸福研究所の所長マイク・ヴァイキング氏の「デンマーク幸福研究所が教える「幸せ」の定義という本を使って、デンマークの高い幸福度だけではなく、「幸せ」とはどういうことなのかを考え始めました。
 「幸せ」については昔から多くの哲学者や宗教者などが考えてきましたが、この本は「幸せ」を色々な角度から考え、私たちの暮らしの幸福度を高めるための示唆を与えてくれます。今回の理事長エッセイでは、その本の中に引用されているロバート・ケネディ氏(ジョン・F・ケネディ米アメリカ大統領の弟で兄が暗殺された後の大統領候補として、その選挙戦の最中に暗殺された元米司法長官)の言葉を紹介したいと思います。皆さんはどう思われますか?
 半世紀も前の彼の言葉が今の世界に改めて、大きな問いを投げかけているように思えてなりません。

2019-06-13 | Posted in 理事長エッセイNo Comments » 

 

GDPでは幸せの価値を測れない

私たち一般社団法人福岡デンマーク協会のホームページにアクセスして頂きありがとうございます。
私は当法人の理事長の長阿彌幹生(ちょうあみみきお)です。
日常の暮らしや活動の中でデンマーク的視点からみた自分なりの気づきや感想などをご紹介し、皆様の暮らしや仕事に何かの参考にして頂ければと思っています。デンマークとは関係の無いようなエッセイもあるやもしれませんが、それも幸福という普遍的なテーマとして繋がっているものですので、拙文ですがお付き合いください。感想等頂ければ幸いです。また、私どものイベント等でもこのエッセイを種にして、お話しが出来ることを楽しみにしています。

福岡デンマーク協会 理事長 長阿彌幹生


理事長エッセイ(10)

GDPでは幸せの価値を測れない

 4月から私が主宰しているデンマーク研究会(註)では、デンマークの幸福研究所の所長マイク・ヴァイキング氏の「デンマーク幸福研究所が教える「幸せ」の定義という本を使って、デンマークの高い幸福度だけではなく、「幸せ」とはどういうことなのかを考え始めました。
 「幸せ」については昔から多くの哲学者や宗教者などが考えてきましたが、この本は「幸せ」を色々な角度から考え、私たちの暮らしの幸福度を高めるための示唆を与えてくれます。今回の理事長エッセイでは、その本の中に引用されているロバート・ケネディ氏(ジョン・F・ケネディ米アメリカ大統領の弟で兄が暗殺された後の大統領候補として、その選挙戦の最中に暗殺された元米司法長官)の言葉を紹介したいと思います。皆さんはどう思われますか?
 半世紀も前の彼の言葉が今の世界に改めて、大きな問いを投げかけているように思えてなりません。


50年前のメッセージ
 ロバート・ケネディ(1925.11.20-1968.6.6:ジョン・Fケネディ米大統領の弟で上院議員、大統領選挙の最中に1968年6月に暗殺される)は、1968年3月カンザス大学の演説で次のように述べました。


 私たちはもうずっと前から、個人の優秀さや共同体の価値を、単なるモノの量で測るようになってしまった。この国のGDPは、8000億ドルを越えた。 
 しかし、もしGDPでアメリカ合衆国の価値を測るのなら、GDPには、大気汚染や、たばこの広告や、交通事故で出動する救急車も含まれている。
 GDPには、ナパーム弾や核弾頭、街でおきた暴動を鎮圧するための、武装した警察の車両も含まれている。
 GDPには、玄関の特殊な鍵、囚人をかこう牢屋、森林の破壊、都市の無秩序な拡大による大自然の喪失も含まれている。GDPには、ライフルやナイフ、子どもにおもちゃを売るために暴力を美化するテレビ番組も含まれている。
 一方、GDPには、子どもたちの健康や教育の質、遊ぶ喜びは入っていない。
 GDPには、詩の美しさや夫婦の絆の強さ、公の議論の知性や、公務員の高潔さは入っていない。GDPには、私たちの機転や勇気も、知恵や学びも、思いやりや国への献身も、入っていない。
 つまり、GDPは、私たちの人生を意味あるものにしてくれるものを、何も測ることはできないのだ。
 GDPは、私たちがアメリカ人であることを誇りに思えることについて、いっさい教えてくれないのだ。もしそれが、この国において真実であるなら、世界中のどの国でもやはり真実だろう。

 

デンマーク研究会:毎月第2水曜日18:30-20:30 参加費:500円
開催場所:教育文化研究所事務所(福岡市博多区奈良屋町2-16)

 

 

Kids at ease
Time out with your friends is well spent nestling on a warm doorstep.
Photo: Bent Nセsby

★ Photos from Denmark 1  www.visitdenmark.com
2019-05-07 | Posted in 理事長エッセイNo Comments » 

 

駅に改札口が無い!?

私たち一般社団法人福岡デンマーク協会のホームページにアクセスして頂きありがとうございます。
私は当法人の理事長の長阿彌幹生(ちょうあみみきお)です。
日常の暮らしや活動の中でデンマーク的視点からみた自分なりの気づきや感想などをご紹介し、皆様の暮らしや仕事に何かの参考にして頂ければと思っています。デンマークとは関係の無いようなエッセイもあるやもしれませんが、それも幸福という普遍的なテーマとして繋がっているものですので、拙文ですがお付き合いください。感想等頂ければ幸いです。また、私どものイベント等でもこのエッセイを種にして、お話しが出来ることを楽しみにしています。

福岡デンマーク協会 理事長 長阿彌幹生


理事長エッセイ(9)

駅に改札口が無い!?

ヨーロッパの鉄道の駅では改札口の無い国をしばしば見かけます。国の事情などから、それが当たり前のようになっているのでしょうが、日本のような改札口のある国の人にはちょっとした驚きです。デンマークでの体験を私が文章にしていますので紹介しましょう。

 

公共交通手段の利用で体験
 デンマークではよく鉄道を利用します。私の企画するデンマーク研修ツアーでは、ツアー参加者の方々を電車やバスなどを利用して視察先にお連れします。貸切バスやタクシーなどで移動すると便利ですが、公共交通手段を使うと、デンマークの人たちの暮らしぶりを直接体験することが出来るからです。

改札の代わりに抜き打ち検札
 鉄道を利用して驚くことの一つに、デンマークの駅には改札口が無いということです。切符は購入しないといけませんが、目的の駅に到着しても改札口がありませんので、使用済みのチケットは待合室など駅構内のゴミ箱に捨てるだけです。
 改札口が無いのならば切符を買わないでも乗車出来るのではないかと思いますが、確かに乗車は出来ます。
 それなら無賃乗車が多くなるのではないかとも思いますが、その対策はちゃんと打ってあります。つまり「検札員」による抜き打ちチェックです。ある駅から十人くらいの検札員が一斉に乗り込んできて検札を行います。もちろん抜き打ちですから、検札の無いときもあります。つまり何時どこで検札があるかわからないということです

人への信頼が高い国だからこそ
 訪れたときに、私の目の前に座っていた女性が無札を見つかり、500クローネ(9000円)の支払切符を切られていました。切符を予め買ってさえいれば30クローネくらいのものですから、16倍ものペナルティを払わされたわけです。
 各駅に改札口を設置し、駅員や機械を配置・設置する方法と、改札口ではなく検札による牽制と比較して、その費用対効果はどうなのか検討に値するのではないかと思えました。それよりも何よりも、人への信頼度が高くなければこの方式は採用出来ないのではないでしょうか。

★追記:日本の電車では携帯電話の使用については遠慮または短時間利用となっていますが、デンマークには写真のような車両が必ず連結されていて、この車両では、携帯電話の使用はもちろんのこと、おしゃべり(会話)も禁止です。静かにゆっくり休みたい人、読書したい人のために設けられています。この車両は本当に静かで、ゆっくりします。

 
2019-04-15 | Posted in 理事長エッセイNo Comments » 

 

“品格”を学ぶ ~デンマーク大使にお会いして

私たち一般社団法人福岡デンマーク協会のホームページにアクセスして頂きありがとうございます。
私は当法人の理事長の長阿彌幹生(ちょうあみみきお)です。
日常の暮らしや活動の中でデンマーク的視点からみた自分なりの気づきや感想などをご紹介し、皆様の暮らしや仕事に何かの参考にして頂ければと思っています。デンマークとは関係の無いようなエッセイもあるやもしれませんが、それも幸福という普遍的なテーマとして繋がっているものですので、拙文ですがお付き合いください。感想等頂ければ幸いです。また、私どものイベント等でもこのエッセイを種にして、お話しが出来ることを楽しみにしています。


理事長エッセイ(8)

“品格”を学ぶ ~デンマーク大使にお会いして

今から7年前の12月のこと、福岡にデンマーク駐日大使が来られました。幸いにして、福岡デンマーク協会のメンバーとの昼食会が実現し、私も大使とお会いし、歓談することができました。その時のことを書き留めた文章があります。今回は、2011年12月18日に書いた、その文章を紹介します。

 

デンマーク駐日大使との昼食会へ!
 12月16日(金)は初雪の降る寒い一日となりましたが、私にとってはとても思い出深い日となりました。
 と言うのも、この日、デンマーク駐日大使のA・カーステン・ダムスゴー大使が福岡県知事を表敬訪問された後、福岡・デンマーク友好協会の歓迎昼食会に出席されたのです。この場はデンマークの名誉領事をされていて、福岡・デンマーク友好協会の名誉会長でもある麻生泰氏(当時:麻生ラファージュセメント㈱社長)の取り計いで実現しました。

初めての来福 ダムスゴー大使
 ダムスゴー大使はデンマーク外務省の数々の要職を果たしてこられました。そして9月に着任されてからは大震災の被災地である東北に何度も足を運ばれたそうです。大使着任以前には、広島や長崎を訪れたことはあるそうですが、福岡は初めてだそうです。
 とても気さくで、いつも笑顔を絶やさず、相手の話を最後まで聴かれる態度は、謙虚であり誠実そのものでした。
 肩書きや地位にこだわらず、対等な立場で接する態度はさすがだと思いました。人権尊重=民主主義の国デンマークの大使として相応しい方だと思いました。
 麻生会長はじめ、協会やその関係者の皆さんとも話が弾み、とても和やかな昼食会になりました。
大使との昼食会のことをデンマーク在住の千葉忠夫氏(当時:日欧文化交流学院理事長)にお知らせしたところ、とても喜んでくださって、この昼食会のためにデンマークのオーデンセからクリスマスバージョンのビールなどを送ってくださいました。おかげで、大使も大喜び。母国の味を楽しまれました。

大使の自然な態度から学んだ「品格」
 昼食会の後、大使を空港までお見送りしました。フライトまでの時間が少しあったので、大使は福岡空港の貴賓室に招きいれてくださって、しばし歓談させていただきました。私は協会も協力している福岡発のデンマーク研修ツアーのことや、デンマークの美術館や博物館で感じたことなどをお話しさせて頂きました。大使からはデンマーク領のグリーンランド(世界最大の島)の素晴らしさなどのお話しを聞かせていただきました。
 率直で、穏やかな人柄にすっかり魅了されました。
 短い時間に信頼関係を築ける力は、相手の肩書や年齢などにこだわらない、分け隔ての無い姿勢にあるように思います。その国の顔として対外的な折衝や活動を行わなければなりませんが、ダムスゴー大使はその要職にふさわしい力=品格を備えられているように思いました。改めて“品格”ということを、大使の自然な態度から学ばせて頂きました。

 私はデンマークが「幸福度世界一」の国として評価されているのは、“民主主義”が生活全般にまで浸透し、相手のことを大切に思うこと、助け合って生きることなどが様々な場面で実践されているからだと思っています。
 大使とお会いして、デンマークの幸福度=民主主義が伝わって来るような気がしました。

 

画像提供:https://www.visitdenmark.com/denmark/tourist-frontpage
Royal treatment at Christiansborg Palace
Throughout Denmark you will find conference facilities of the highest quality at large and small venues.
Photo: Lars-Kristian Crone
2019-01-25 | Posted in 理事長エッセイNo Comments » 

 


川邊事務所
川邊事務所 | KAWABE OFFICE.  
株式会社ダイドー不動産  
Sasukee | サースケ  
無農薬野菜・有機野菜のオーガニックパパ    
欧州「最新建築」撮り歩記