私たち一般社団法人福岡デンマーク協会のホームページにアクセスして頂きありがとうございます。
私は当法人の理事長の長阿彌幹生(ちょうあみみきお)です。
日常の暮らしや活動の中でデンマーク的視点からみた自分なりの気づきや感想などをご紹介し、皆様の暮らしや仕事に何かの参考にして頂ければと思っています。デンマークとは関係の無いようなエッセイもあるやもしれませんが、それも幸福という普遍的なテーマとして繋がっているものですので、拙文ですがお付き合いください。感想等頂ければ幸いです。また、私どものイベント等でもこのエッセイを種にして、お話が出来ることを楽しみにしています。

福岡デンマーク協会 理事長 長阿彌幹生


理事長エッセイ(17)

幸福度の測り方

注目される世界幸福度報告書 
 
幸福度調査とは、人々が感じている幸福の度合いを数値化し、その背景を分析する調査です。国際連合の関連機関であるSDSN(Sustainable Development Solutions Network、持続可能な開発ソリューション・ネットワーク)が2015年から毎年公表している「世界幸福度報告書」(World Happiness Report)が注目されています。

主観的な幸福を測定&理解する 
・SDSNから公表されている世界幸福度報告書の目的は、主観的な「幸福」(well-being)を測定・理解することです。世界幸福度報告書は、独立した専門家たちが個人の資格で執筆し、特定の団体の見解を示してはいません。

2位デンマーク、日本は62位に 
・SDSNが公表している世界幸福度報告書のうち、特に注目されているのが「幸福度ランキング」(Ranking of Happiness)です。自身の生活について人々に0から10の数値で回答してもらい、その結果の平均を国別にまとめたもの。2020年のトップ5は、1位フィンランド、2位デンマーク、3位スイス、4位アイスランド、5位ノルウェーで、ほぼ北欧の国が占めています。日本は年々そのランクを下げていて156カ国中62位です。※他の主要国のランキングはカナダ11位、英国13位、ドイツ17位、米国18位、フランス24位、イタリア30位でした。幸福度ランキングを作成するにあたって使われたアンケートの質問文は以下の通りです。

気づかされる質問項目 
・世界幸福度報告書では、下記の質問によって数値化された幸福度の背景を分析しているそうです。
①「一人あたりのGDP」
②「社会的サポート」
③「健康寿命」
④「生活に関して選択をする自由」
⑤「寛容さ」
⑥「腐敗に対する感覚」といった要素で集計・分析が行われています。
②「社会的サポート」は、「困ったとき、いつでも頼れる親類や友人がいますか」という質問
④「生活に関して選択をする自由」は「生活における行動を選ぶ自由に満足していますか」という質問
⑤「寛容さ」は「この1カ月間で寄付をしましたか」
⑥「腐敗に対する感覚」は「国家組織中に腐敗は広がっていますか」および「産業界に腐敗は広がっていますか」という質問への答えから数値化されています。
 これらの数値が高いほど、幸福度ランキングで上位になります。

項目に沿ってデンマークを見る、日本を見る
 さて、この質問に対して10段階で評価するなら、あなたは日本の幸福度をどのように評価しますか?
 評価者として、日本の国の状況をアンケートに答えるようなつもりで考えてみましょう。そして、問題点があれば、それに対して何ができるかを考え、実践してみませんか。