私たち一般社団法人福岡デンマーク協会のホームページにアクセスして頂きありがとうございます。
私は当法人の理事長の長阿彌幹生(ちょうあみみきお)です。
日常の暮らしや活動の中でデンマーク的視点からみた自分なりの気づきや感想などをご紹介し、皆様の暮らしや仕事に何かの参考にして頂ければと思っています。デンマークとは関係の無いようなエッセイもあるやもしれませんが、それも幸福という普遍的なテーマとして繋がっているものですので、拙文ですがお付き合いください。感想等頂ければ幸いです。また、私どものイベント等でもこのエッセイを種にして、お話しが出来ることを楽しみにしています。

福岡デンマーク協会 理事長 長阿彌幹生


理事長エッセイ(9)

駅に改札口が無い!?

ヨーロッパの鉄道の駅では改札口の無い国をしばしば見かけます。国の事情などから、それが当たり前のようになっているのでしょうが、日本のような改札口のある国の人にはちょっとした驚きです。デンマークでの体験を私が文章にしていますので紹介しましょう。

 

公共交通手段の利用で体験
 デンマークではよく鉄道を利用します。私の企画するデンマーク研修ツアーでは、ツアー参加者の方々を電車やバスなどを利用して視察先にお連れします。貸切バスやタクシーなどで移動すると便利ですが、公共交通手段を使うと、デンマークの人たちの暮らしぶりを直接体験することが出来るからです。

改札の代わりに抜き打ち検札
 鉄道を利用して驚くことの一つに、デンマークの駅には改札口が無いということです。切符は購入しないといけませんが、目的の駅に到着しても改札口がありませんので、使用済みのチケットは待合室など駅構内のゴミ箱に捨てるだけです。
 改札口が無いのならば切符を買わないでも乗車出来るのではないかと思いますが、確かに乗車は出来ます。
 それなら無賃乗車が多くなるのではないかとも思いますが、その対策はちゃんと打ってあります。つまり「検札員」による抜き打ちチェックです。ある駅から十人くらいの検札員が一斉に乗り込んできて検札を行います。もちろん抜き打ちですから、検札の無いときもあります。つまり何時どこで検札があるかわからないということです

人への信頼が高い国だからこそ
 訪れたときに、私の目の前に座っていた女性が無札を見つかり、500クローネ(9000円)の支払切符を切られていました。切符を予め買ってさえいれば30クローネくらいのものですから、16倍ものペナルティを払わされたわけです。
 各駅に改札口を設置し、駅員や機械を配置・設置する方法と、改札口ではなく検札による牽制と比較して、その費用対効果はどうなのか検討に値するのではないかと思えました。それよりも何よりも、人への信頼度が高くなければこの方式は採用出来ないのではないでしょうか。

★追記:日本の電車では携帯電話の使用については遠慮または短時間利用となっていますが、デンマークには写真のような車両が必ず連結されていて、この車両では、携帯電話の使用はもちろんのこと、おしゃべり(会話)も禁止です。静かにゆっくり休みたい人、読書したい人のために設けられています。この車両は本当に静かで、ゆっくりします。