私たち一般社団法人福岡デンマーク協会のホームページにアクセスして頂きありがとうございます。
私は当法人の理事長の長阿彌幹生(ちょうあみみきお)です。
日常の暮らしや活動の中でデンマーク的視点からみた自分なりの気づきや感想などをご紹介し、皆様の暮らしや仕事に何かの参考にして頂ければと思っています。デンマークとは関係の無いようなエッセイもあるやもしれませんが、それも幸福という普遍的なテーマとして繋がっているものですので、拙文ですがお付き合いください。感想等頂ければ幸いです。また、私どものイベント等でもこのエッセイを種にして、お話しが出来ることを楽しみにしています。


理事長エッセイ(6)

ヴァイキングへの誤解?

私の企画するデンマーク研修ツアーは今年も11月11日から18日の8日間開催されました。20名を超える皆さんが福岡、熊本、宮崎、沖縄、広島から参加されました。幸福度世界一のデンマークの福祉や教育を丁寧に視察して回り、多くの気づきの得られたツアーとなりました。

そのツアーの中でデンマークの文化や歴史を知る時間も設けてあり、いろいろな場所を巡ります。数年前のツアーではデンマークの地方都市ロスキレにあるヴァイキング博物館を訪れました。そのときのことをエッセイにしました。

 

ヴァイキング博物館を訪ねる
世界遺産のロスキレ大聖堂(12世紀~13世紀に建築)のある丘から眺めると、緩やかな斜面の向うに静かな入り江が拡がっているのが見えます。
この入り江は太古の昔に氷河が大地を削って出来たフィヨルドなのです。ヴァイキング博物館はその岸辺に建てられています。

海賊のイメージではなかった!
この博物館を訪れて、私がヴァイキングについて大きな誤解をしていたことに気が付きました。
それまでは、ヴァイキングと言えば、「海賊」というイメージで野蛮で残虐なものでした。このイメージは未だに多くの人たちの中にあると思います。

高度な技術で海を駆けた民族
博物館の中の様々な掲示物や文書を見ていくことで、彼らが8世紀~11世紀にかけてヨーロッパに大きな影響を与えた非常に優秀な民族だったことを知りました。
スカンジナビア地方において、農民であり漁民だった彼らは手工業などでも、当時高度な技術を有していました。さらには大型の木造船の建造においても優れていて、その船を用いて、東はロシア、西はグリーランド辺りまでを対象とした交易を行い、政治的・経済的に大きな影響を与えていました。

ヴァイキングが教えてくれた
海賊のイメージは、ヴァイキングたちの一部が行った略奪的行為が拡大解釈されて、ヴァイキング全体のイメージになっていったのではないかとされています。
私も恥ずかしながら、この日までそういうイメージを持っていました。よく知りもしないのに、「ヴァイキング=海賊」と誤解し、思い込んでいた自分の姿を博物館で気が付かされました。自分の愚かしさをヴァイキングに教えてもらったような気がしました。